オイラーアーカイブス
歴史のブログを始めたのにいきなり数学の話題を投稿するのはやや変な感じもするが、以前から注目しているし現在も必死に学んでいるので特記しておこう。なんでそんなに必死なのかというと、まあ永遠の中二病みたいなもので、厳密性と抽象性を重んじる数理の世界に生きて、あれやこれやと新しいものを証明したり、発見したり、開発したり、統計予測をエレガントに取り組む理系の人々(と勝手に思い込んでいるが)は、大変なのだろうけどなんとも気持ちがいいものだろうな~と常々思ってきた。残念なことに数学を高校あたりでつまづいた小生としては理数分野の世界一種の強いあこがれになっている。というわけで歴史のブログではあるものの数学やそれに近い関係のお話しもちょくちょく出てくるのはご容赦いただきたい。
さて、自分が数学の世界で最も強く関心を持つのが”レオンハルト・オイラー”である。
(Leonhard Euler, 1707年4月15日 - 1783年9月18日)は18世紀の数学者であり、天文学者(天体物理学者)である。18世紀の数学の中心となって、続く19世紀の厳密化・抽象化時代の礎を築いたとされる。スイスのバーゼルに生まれ、現在のロシアのサンクトペテルブルクにて死去した。 レオンハルト・オイラー - Wikipedia より
その功績たるやオイラーと名がつく定理や証明はごまんとある数学の世界では、知らない人はいない最重要人物だ。特に有名なのはオイラー公式と呼ばれる指数関数と三角関数の相互を結び付けた「オイラー方程式」は、アメリカの天才物理学者・リチャード・ファインマンから「我々の至宝」かつ「すべての数学のなかでもっとも素晴らしい公式」と評されている。(ファインマン物理学Ⅰ『力学』p294, 307より)。
ここで上記公式の証明までは立ち入らないけど、三角関数の加法定理の導出なども「さいこーのこーさいはこーこのさいさい」などと言った呪文めいた暗記をしなくても、このオイラー公式を知っていればすぐにできる。このオイラーのすごさを文系人間だった自分はようやく社会人になって痛感するのだが、オイラーの人生における逸話もすごい。第一に生涯で生み出した論文の数が半端ない分量にのぼっていて、現在も完全に全集がそろっているわけではないということ。
上記はオイラーの論文をオンラインで公開しているサイトだ。冒頭の数学に対する中二病患者である自分からすると、このうちの一本でもいいから翻訳してみたいものだなぁとうずうずしてくる。とはいえそのためにはラテン語で書かれたものを読めないとダメだが…。第二にその人柄、生き様のすがすがしさだ。子どもと遊んでいるときも数学の問題解決を考え続け、そらで膨大な計算もし、数学へのあまりの研究熱心さについには双方の目が失明してしまうが、それでも研究意欲を衰えず生涯数学に取り組み続けた姿勢には物事に取り組み続けることの大切さを感じずにはいられない。
歴史の勉強も楽しいことは楽しいのだが、数学や物理、化学などなど科学史の側面を当時の社会や経済、政治と一体的に見れたら、それまたもっと楽しいに違いない。
クロスビーの『数量化革命』はオイラーの時代からややさかのぼるが上記の興味からは早く読みたい。図書館でパラパラ読みしかしてないからなあ。
- 作者: アルフレッド・W・クロスビー,小沢千重子
- 出版社/メーカー: 紀伊国屋書店
- 発売日: 2003/10/29
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あとシュテーリヒの『西洋科学史』も読んでみたい。
モノグラフの『数学史』もつんでおこう。
それから『数学序説』 (ちくま学芸文庫)
とりあえず今日はここまでですかね。